« 野良猫ロック マシンアニマルの巻 | トップページ | 迷走王ボーダーの巻 »

2007年8月 7日 (火)

名画座番外地の巻

久々にいっきに本を読んだ。しかも鎌倉の海水浴場のジリジリした太陽の下で。
川原テツ著(『名画座番外地—「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記』で第5回幻冬舎アウトロー大賞特別賞を受賞。浅草名画座のHPにて、“浅名アニキ”名義で番組紹介を連載中)名画座番外地をです。

1年間365日のほとんどをやくざ映画にあてる男気炸裂のワイルドな劇場「新宿昭和館」に十代から勤め始めた著者の「新宿昭和館」での奇妙で危ない日々を綴った「新宿昭和館」記です。
とにかくエピソードには事欠かさず、ある冬の日2階席で新聞紙をジャンジャン燃やしてるバカがいて慌てて水をぶっかけ怒鳴ったところ「スイマセン寒かったもんで」とヘラヘラしてたり。「今日は金がないからこれで入れてくれ」と銀杏もってくる奴がいたり(でまたそれで入れてやるのだ)。額からタイガー、ジェット、シンのように血をドクドク流したオッサンが上映中の館内を徘徊しながら「分からないんだよう、でもなんだかとても痛いんだよう」泣きながら訴えていたりとざっと書いただけでも凄まじい。
それらの上映してる映画に負けず劣らずガラの悪いお客さんに対する映画館のスタッフも個性派ぞろい。パワフルで気風がよく女ボス的存在の米子ちゃん。赤ちゃん言葉を使い鼻の下に堂々たる産毛を蓄えたおばさんムッチー。アフリカ難民か理科室の骨格標本かとゆうぐらいガリガリにやせ細りかなりいいダシがとれそうないびりのきついババァ、オッカァ。まゆ毛を書き忘れ出勤して来たとき受付のボールペンでまゆ毛をオツに描く最年長の石毛さん。おかまっぽいおねぇ言葉の岡田さん。となかなかの役者ぞろい。映画より映画館の方がおもしろいと言われるほど毎日がスラプスティックなのです。
そんな「新宿昭和館」も時代の変化に客足が落ちそして老朽化し閉館する事になる。
閉館の日スポットライトを浴びる米子ちゃん・・・・・。
どうしょうもない人々の吹きだまり的場所とそれと正面から対峙する人達。
あまりにも人間臭くだからこそ泣ける。
『名画座番外地—「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記』
笑えて泣ける傑作なのだ!


Bpbookcoverimage

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/228551/7450487

この記事へのトラックバック一覧です: 名画座番外地の巻:

» の一層 [は特にタイのイスラ]
政権を維持した場合 は特にタイのイスラ 連イラ... [続きを読む]

受信: 2007年8月25日 (土) 04時24分

コメント

コメントを書く