やわらかい手の巻
ロンドン郊外の小さな町で暮らす中年女マギー。彼女の孫(オリー)は難病を患っていてそのために家を売ったりしてなんとか病気をなおしてあげたいと思っている。嫁との関係はよそよそしくどこかうまくいってない。そして看病疲れは夫婦をピリピリさせている。そんなある時医者から後六週以内にオーストラリアで手術をしなければオリーは死ぬと告げられたのだ。夫婦には金を作る余力はない。マギーはなんとかしょうとするのだがどうすることもできない。絶望し、なんとなく歓楽街を歩いていたところ<接客係募集>の張り紙が目に入る。しかし接客係りとは(手こき)専門の風俗嬢だったのだ(壁に穴が開いていてそこにペニスを入れる。外と中は隔てられている。ミキはジャパニーズスタイルとよんでいた)ほかに残す道はなくオーナー(ミキ)に雇ってもらうマギー。なんとマギーはゴッドハンドの持ち主だったのだ。長蛇の列ができるほど売れっ子になったマギーことイリーナ・パーム(源氏名)。病状が悪化していくオリー。マギーの選ぶ道は…‥。
と、ストーリーをかいつまんで書くとなんだおばちゃん風俗嬢(手こき専門)の映画かなどと思ってしまうでしょう。たしかにウブなおばちゃんが手こきとはと下衆なわたしは思ってしまったのです。が。
観ていてどんどん引き込まれたのです。自分を押し殺し生きてきた平凡な主婦マギーが孫のために飛び込んだ未知の世界。醜悪な欲望と向き合ううちに今までつきあってきた世界の嘘が浮き上がってきたのかも知れない。どんどんとマギーが凛然としてくるのだ。そしてオーナーのミキ。「今夜からイリーナ・パームだ」と言ったところマギーが「若い人を想像するでしょうね。こんな年増なのに」「年増ってなんだ」「わたしみたいな冴えない中年女のことよ」するとミキ「そんな女は雇ってないぞ」だってニクい台詞だねぇ。ミキのいつもやるせない顔してんのもなんともいいんだよねぇ。 自分らしく生きることなんて容易いことじゃないだけど自分らしく生きなきゃ生きてる意味なんてない。マギーは自分の殻を破ったのだ。ユーモアとペーソス溢れるじわりじわりと感動する。そんな名作です。 12月8日(土)より、Bunkamuraル・シネマにてロードショー。連日:11:00/1:40/4:00/7:00
こりゃー観なきゃ損なのだ!
ちなみに主演のマリアンヌ・フェイスフルはローリングストーンズ、ミックジャガーの元恋人でありルパン三世の峰不二子のモデルともいわれている。
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